「お空のむこうは楽しいのかな?」

 

ソラが言いました。

 

「いっぱいニコニコできるかな?」

 

アオも空を見つめて言います。

そこで2人は向き合いました。

笑っているような、泣いているような、

希望と不安とがいっしょくたになった表情です。

 

「一緒にでかけようよ。」

「うん。」

 

ソラはアオの背中に飛び乗りました。

もうアオの背中なら怖くありません。

2人は歩き出しました。

 

遠くにお母さん牛が見えます。

 

「おかあさ〜ん!」

 

ソラが笑いながら大きく手を振りました。

 

「あら、2人は仲良しね。」

 

お母さん牛も笑っています。

 

「ばいば〜い!」

 

ソラはもう一度手を振りました。

その本当の意味はお母さん牛にはわかりません。

 

やがて2人は牧場のゲートに着きました。

 

「牧場ともお別れね。」

「ソラ、つかまって!」

 

アオは背中のソラを振り返り、

彼女がたてがみをしっかりつかんでいることを確認すると、

いつもより速く走りだしました。




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