ソラの歌はまだ続いています。

トラが言いました。

 

「なんだか俺も歌いたくなってきたぞ。」

 

そしてソラと一緒に大声で歌いはじめました。

 

「ほら、アオも歌おうぜ!」

 

アオは歌を歌うなんて照れくさかったのですが、

楽しそうに歌っているソラとトラを見て、

思いきって一緒に歌うことにしました。

 

一緒に歌っているうちに、

アオは本当に楽しくなってきて、

ステップまで踏みはじめました。

まるで踊っているかのようです。

 

アオの背中で三兄弟の体が弾みます。

みんなはますます楽しくなって、

ニコニコ顔になりました。

 

そのとき、

声が出ないはずのリボンちゃんが、

美しい声で歌いはじめました。

 

「リボンちゃん!」

「おい!なおったぞ!」

「すごいね!」

 

ソラ、トラ、アオがいっせいに叫びました。

リボンちゃんは笑顔で、

 

「ソラねえちゃんの歌が好き。」

 

と言って、

いっそう大きく美しい声で歌います。

 

「本当によかったね。」

 

みんなはニコニコして、

リボンちゃんに起きた不思議を喜び、

再び一緒に歌い踊りました。

でもその目は涙でいっぱいです。

 

しばらくしてトラがアオに言いました。

 

「おいアオ、ダンスはいいけど、

 時々『ブルルル・・・』って

 鼻ならすのはヘンテコじゃねぇか。」

 

振り返ったアオの顔が、

とっても決まりが悪そうだったので、

みんなはお腹をかかえて笑いました。

 

 

ふるさとの牧場はもうすぐそこです。




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