おじさんの病院に着くと、

アオは馬用の厩舎に入り

3匹の猫はおじさんと一緒に

病院の裏にある自宅の食堂に行きました。

 

アオは栄養たっぷりの飼葉をもらい、

お水もいっぱい飲みました。

すると、よほど疲れていたのでしょう

あっという間に眠ってしまいました。

 

一方のソラ・トラ・リボンちゃんの3匹は、

おじさんの足もとでひとつのお皿に盛られた

食事にそろって顔を突っ込んでいます。

 

 

そこに近くの牧場からおじさんがやってきました。

 

「よう先生!

うまい肴を持ってきたよう。

 一杯やんないかい。」

「いいですねぇ、やりましょう!」

 

医者のおじさんはニコニコして

冷蔵庫からビールを取り出しました。

 

 

二人は美味しそうに目をつぶって一杯目を飲み干すと、

すぐに二杯目をグラスについで、

牧場のおじさんの持ってきた肴を一口かじりました。

 

「今日はお客さんがいっぱいじゃないの、先生。

 ニャンコは増えてるしさ。ときに・・・

 あっちにいた馬は例の馬なんでないかい?」

 

どうやらアオの活躍ぶりは、

ここらで評判になっているようです。

 

「あっちの街道で寝転がってたんですよ。

 レースで疲れてたんでしょうね。」

 

医者のおじさんはアオを連れてくるまでの一部始終を

牧場のおじさんに話して聞かせました。

 

「しかしなんだね、家出馬ってのも珍しいねぇ。」

 

牧場のおじさんは少し笑うと続けて言います。

 

「どうやらあの馬は

あの山の向うにある牧場からきたらしいんだよねぇ。」

「ぼくがリボンちゃんを引き取りに行ったところですね。」

「うん、そうだ。」

「ところで今日きた2匹の猫はリボンちゃんの兄弟らしいんですよ。」

「へぇ、そうかい。よく会えたもんだねぇ。」

 

2人の足もとでは、

すっかりごはんをたいらげた3匹が、

無関心な顔で毛づくろいをしていましたが、

耳だけはしっかりとおじさんたちに向けていました。





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