ソラはぐーんと前脚を伸ばしたあと、
体をアーチ型に縮め、
次に首をプルプルしました。
最後には仰向けに寝そべって、
背中のムズムズを地面で掻いて2回転すると、
何ごともなかったような顔で隣の牧場に歩きだしました。
一度だけさっきトラックから降りてきた馬を振り返りましたが、
「どうせ競馬の馬よ。」
そう思い真っ直ぐおとなりに向かいました。
イラスト:(C)'あ'
柵を越えたところで隣の牧場のおじさんに、
「ソラ、牛乳のんでけ。」
と大きな声で呼ばれました。
ソラは目を少し細め、
「にゃ〜ん。」
と鳴きながらそちらに向かいます。
大好きなおじさんちの牛乳を飲んでいると、
ソラの牧場のおばあちゃんが来ました。
「あれ、またソラきてるんだぁ。わるいねぇ。」
「いいんだよぅ。こいつおもしろいんだ。
いっつも牛にのっかってよぅ。」
ソラの話をしています。
おばあちゃんが言いました。
「この子は不思議なんだよねぇ。
赤ん坊の時から『ソラ飲め』って言わないと
哺乳びん見向きもしなくてさ。」
おじさんも言います。
「そうなんだぁ。『こら飲め』って言ったら
ウンともニャンとも言わないでよ。
それで名前が『ソラ』になったんだもんなぁ。」
2人はソラの名前がどうしてついたかを話しています。
ソラは片耳で聞いていましたが、
なんにもわからないふりで牛乳をなめました。
↓まぁまぁかな?と思ったら↓
↑ココをクリックしてください↑
|
|
|