牧場に帰ってきたアオは、
お友達といっぱいニコニコして遊ぶことを夢見ていましたが、
馬のみんなは、競馬場で会った馬たちと同じように、
とてもおっかない顔をしていました。
「オマエは根性なしだって聞いたぜ。」
「足が速くっても弱虫じゃあしょうがねぇな。」
「タダ飯食ってニヤケてのんきだよなぁ。」
そんなカナシイことを来る日も来る日も言われました。
アオは、あんまり悔しくて牧場のはじっこの方で、
誰にもバレないようにソッと涙を流しました。
そのとき、
「アオ〜!そっち持ってよ〜!」
ソラが、ひもをたすきがけにして走ってきました。
アオはあわてて涙をぬぐいました。
ソラは、彼の目が赤くなっていることに気がつきましたが、
「ほら、これかけてよ!」
と何にも知らないふりで言いました。
イラスト:(C)'あ'
「うん。」
アオは、わけもわからないまんま首にひもをかけます。
「しゅっぱ〜つしんこう!
アオがうんてんしゅ〜!ソラは車掌さ〜ん!」
ソラは、アオの背中に乗ればいいのに、
一緒に歩き出しました。
本当は、まだ少し競走馬が怖かったのかもしれません。
なにしろ、子供のときにガブリとやられているのですから。
「ソラ、ありがとう。」
アオが、ソラの方を振り返って言った拍子に、
チョッとだけ目に残っていた涙の粒が、
キラキラと光りながら宙に舞いました。
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