★青空にいっぱい〜その1★

どうしたの?



あの電車ごっこ以来、
猫のソラと馬のアオは大の仲良しになりました。

それでもソラは、おっかない馬たちがいるので
決して馬房には近づこうとしませんでした。
一緒に遊ぶのはアオが放牧されている時だけです。

今日もアオは、
お母さん牛の背中にいるソラのところへ
ニコニコ顔で駆けてきました。

「ソラ、今日は何してあそぼっか?」
「うん。」

今日のソラは様子がおかしいようです。

「どうしたの?元気ないね。」
「大丈夫だよ。」
「今日はソラのこと聞かせてよ?」
「うん。」




            イラスト:(C)'あ'



ソラは、アオが競走馬をやっていた間に、

 この牧場で生まれたこと、
 お母さんが亡くなったこと、
 なぜ『ソラ』という名前になったか、
 競走馬が嫌いなわけ、
 そして兄弟みんなと離れ離れになったこと・・・

何があったかを順番に話しました。


アオはゆっくりうなずきながら、
ソラの話を最後まで聞きました。
そして、

「ソラ、ここに乗って!」

と長い脚をたたんで、
ソラが背中に乗りやすいよう
牧草の上にしゃがみました。



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